すぐにわかる会計管理システム Vol.3

第3回 2013年5月7日 すぐにわかる会計管理システム Vol.3


今回は、他システムとの連携の仕訳についてまとめて行きたいと思います。


会計管理システムの主なインプットは仕訳伝票入力になります。
販売管理などのシステムが必要なある程度の規模の企業では、この仕訳伝票をすべて手入力することはデータが大量に発生するため業務上現実的ではありません。
通常のERPシステム(統合型とも業務横断型とも言われます。)では、自動的に仕訳を生成するような仕組みになっているのです。


以下にERPシステムで行われる自動仕訳のデータの流れを表します。
※当コラムでのERPシステムは特定のパッケージをさすものではありません。


ERPシステム


なぜ仕訳を自動で生成できるのでしょうか。‥


それは、仕訳の内容がパターン化できるからなのです。


仕訳のパターンは伝票種類という形で仕訳伝票に項目としてもつことになります。
以下に代表的なパターンを伝票種類として分類してみました。


伝票種類


販売管理システムとの連携から始めます。


販売管理システムから連携される情報は売上入力の内容が確定した売上伝票と仕入入力の内容が確定した仕入伝票が連携されます。
売上伝票の代表的な仕訳が「売掛金/売上高」の仕訳です。


借方の売掛金は現預金科目にもなり得ます。これは、売上入力での伝票の区分が設定されたものです。
また売上高が借方に設定されていれば「売上高/売掛金」という売上の取り消し伝票となります。
これは取り消しという伝票の区分によって設定されたものなのです。


上記で「確定した売上伝票」と記載しましたが,、これは販売管理システムと会計管理システムとの連携のタイミングを意味します。
販売管理システム側での確定伝票は、そのまま会計管理システム側にその金額を反映しても良いということにもなり、確定したタイミングでデータの連携を行い仕訳を自動生成を行うタイミングとなります。
例えばSAPのように入力した売上伝票がリアルタイムで会計に連携され実績に反映してしまうものや、販売管理システムで日締めをすることで会計に連携されるなど、ソフトの設計思想によって異なることになります。


以下はいくつかの伝票の区分によって作成された売上関連の仕訳イメージになります。
この時、債権勘定である売掛金には得意先の情報が付与されて仕訳が作成されます。これによって会計管理システム上で得意先毎の債権残高を集計することが可能となります。


売上関連の仕訳イメージ


ここで注目いただきたいのが取消伝票が(1)と(2)と2種類あることです。これは取消伝票を合計残高試算表などでどのように表現するかを意図的にかえるための方法によって2つのパターンを表わしています。
(1)(2)ともに残高としてはもちろん同じなのですが、売上取消伝票(1)の場合は借方貸方それぞれに発生額が表示されてしまいます。取消をおこなったのに貸借に発生額が残ってしまうという状態になってしまいます。
そのため仕訳パターンの洗い出しを行う際どちらの仕訳で行うかの確認が必要なのです。


売上伝票、売上取消伝票その1、合計残高試算表


"売上伝票、売上取消伝票その2、合計残高試算表


次は、仕入伝票についてです。仕入伝票の代表的な仕訳が「仕入/買掛金」の仕訳です。


売上伝票の反対の意味を持ち、材料や商品を仕入れてその分の代金を支払うための伝票です。


借方の買掛金は現預金科目にもなり得ます。これは仕入入力での伝票の区分が「現金仕入」と設定されたものです。
また仕入が貸方に設定されていれば「買掛金/仕入」という仕入の取り消し伝票となります。これは「取消伝票」という伝票の区分によって設定されたものなのです。


以下はいくつかの伝票の区分によって作成された仕入関係の仕訳イメージになります。
この時、債務勘定ある買掛金には仕入先である支払先の情報が付与されて仕訳が作成されます。これによって会計管理システム上で支払先毎の債務残高を集計することが可能となります。


仕入関係の仕訳イメージ


以上、他システムの中でも企業として収支の元となる販売管理システムから発生する代表的な売上と仕入れの仕訳について説明しました。


次回は、他システムの中でも債権債務管理システムとの仕訳の連携についてから説明をして行きたいと思います。