ITエグゼクティブ・フォーラム IT JAPAN 2013 Vol.23

シスコシステムズ 代表執行役員 社長 平井 康文氏


タイトルは「インターネットですべてをつなぐ「The Internet of Everything」」です。


ジェネレーションY(米国において1975年から1989年までに生まれた世代)のインターネット閲覧について
同社が実施した調査結果によると、朝食前にスマホをチェックする人がほぼ100%であるという。
日本では91%がそれに該当する。


この世代の3人に2人は、Face to Faceで直接友人と会う時間よりもオンラインで友人と
つながっている時間が長く、特に女性は81%がその傾向にあるというのです。


ここで平井社長は自身の経験を紹介しました。
出身校の同窓会が10年来毎年行われており、例年6?70人の参加者があったのだが
2年前に同窓会のFacebookページを作成したところ参加人数が激減してしまい
今年はそのほとんどが不参加であったため、ついに中止になってしまったそうです。
これは常にFacebookページを介して会のメンバーがつながっているため、
わざわざ会ってまでの近況報告が不要になってしまったのが原因のようです。

IPトラフィックの増加


次に、平井社長は同社の調査予測によるIPトラフィックの増加を上げました。
2012年の月間44EB(エクサバイト10の18乗)から2017年には約3倍の121EB(DVD換算で300億枚)
になるとの予測です。
また、中でもモバイルトラフィックは、2017年までに約13倍にも膨れ上がり
日本でのモバイルトラフィックは、更に上の約14倍にもなるというのです。


2017年までに世界のすべてのデバイスとの接続の10%が4G LTE対応になる見込みで
その時点で日本では4Gで国内のすべての接続の36%が行われる見込みとのことです。


このようなトラフィックの増加によって地球全体がデジタル化する世界が来るとの予測ができると言うのです。

IT・IS部門への予算


そして、平井社長は「現状のIT・IS部門への予算が全体の35%といわれているが、上記の予測を踏まえると
IT部門は事業部門化し全体の90%の予算になるのではないか」と述べました。


平井社長はこのことを踏まえ同社の戦略として所有するデータそのもので他社との差別化をして行くと言います。
そしてまだ99%のものはインターネットにつながっていない。すべてのものをつないで行くのだと宣言しました。


ここでFace to Faceコミュニケーションを実現する同社のテレプレゼンスが紹介されました。
これは、政府産業競争力会議に提供されたビデオ会議のソリューションで、武田薬品工業株式会社の長谷川社長や
楽天株式会社の三木谷社長などの方々がその使用感の良さをコメントしていたとのことでした。

IoE(Internet of Everything)とは


IoE(Internet of Everything)とは、人とビジネスプロセスとデータとモノをつないで行く。
そのモノは、エネルギーであり、交通、工業、スマートシティ、ヘルスケア、パブリックセーフティであり小売業である。
また、ビジネスプロセスは、オペレーション、効率化/コスト削減、トレーサビリティ、顧客満足度
エクスペリエンス、防犯であると平井社長は述べた。

IoEの活用について5つの切り口


そして平井社長はこれらIoEの活用について以下の5つの切り口を示しました。


・記録する/追跡する
・監視する
・動かす
・見つける/探し出す
・先回りする


「記録する/追跡する」では製造業で製品出荷後に販売先での故障の履歴を追跡/管理し
アフターサービスに活用、また医療で患者への投薬の履歴を記録し、医療ミスの抑止につながります。


「監視する」では製造業で製造装置、機械の稼働状況をセンサーにて認識し、異常時に
アラートを出します。


「動かす」ではスマートグリッドで気温・湿度などの気象情報を元に、空調管理を最適化
また農業で、ビニールハウスの室温、温度、栽培物の生育などを監視し、空調等をコントロールします。


「見つける/探し出す」では小売業で顧客の購買時の動線から、購買動機を分析しマーケテイングに
活用、またSNSの書き込みやニュースフィードの内容から特定のセグメントにおける
ソーシャルマーケティングに活用します。


「先回りする」では交通で、渋滞情報や事故情報を分析し、移動ルートとあわせてドライバーに知らせたり
公共で大型地震やゲリラ豪雨などの予測データを、特定地域の住民に一斉に配信します。


このようなIoEは今後10年間で全世界に14.4兆ドルの価値を生むと言われています。
また日本でも少なくともそのうちの5%にあたる76.1兆円の市場が国内に生まれるという予測です。

IoE導入事例の上位4位とは


1.スマートファクトリ(製造業のスマート化)
2.「つながる」マーケテイング・広告
3.製品開発イノベーション
4.スマートグリッド・省エネルギー


平井社長はIoEを支えるテクノロジーとして「フォグコンピューティング」という新たなアーキテクチャーが
必要になると説明しました。


これはクラウドコンピューティングの次の世代の概念です。
ネットワークのエッジ側での集中型インテリジェンスがクラウドであり分散型インテリジェンスが
今後フォグコンピューティングと呼ばれるであろうと語りました。

最後に


最後にIoEを支えるもう一つのテクノロジーとしてセキュリティをあげています。
セキュリティはチームで守るというのです。例えとしてはバスケットなどで個々で守る
マンツーマンディフェンスからゾーンディフェンス型に変えて行くということだそうです。


平井社長はサイバーセキュリティ専用のセキュリティインテリジェンスオペレーションをフォグコンピューティングと
一体化させるのだと結びました。