ITエグゼクティブ・フォーラム IT JAPAN 2013 Vol.17

ヤマトホールディングス 代表取締役会長 瀬戸 薫氏


瀬戸会長は、ヤマトグループの会社概要とその歴史から話を始めました。
ヤマトホールディングスは1919年創業で百貨店の商品配送をしていた。
そして最初のイノベーションである路線便を1929年に開始したのだそうです。
それによって企業間物流が確立された。のちに競争が激化し、
1976年にあの宅急便が発売されたのだと言っていました。

「宅配便」これこそが第2のイノベーションだったのです。
この時同社は、B to BからC to Cの参入にあたりB to Bの取引先の仕事をしないという
背水の陣をひいたのでした。
この切り替えは困難なものであったが、創業当初からやっていた
百貨店の持っていたニーズをもっていたこともあって可能となったそうだ。

但し、今までのB to Bではただ物流センターと倉庫の往復で済んでいたが、社員の働き方から
営業所の役割、配送車の設備なども全く違うものとなったとのことです。

そして、日本列島を俯瞰すると一定のニーズがあることに気が付く。
瀬戸会長の話では、形の無い物を、形のあるものにかえたということなのです。

社員教育で教える2つのこと


まず、社員教育を行うにあたり以下の2つの事だけを覚えさせたというのだ。

・全員経営
・サービス第一

である。そしてそれに伴う権限をすべてドライバーにわたすことにしたとのことです。

マニュアルも作らなかったそうで、お客様の要望はすべてやってあげなさいといったそうです。
また儲かるかどうかは考えないで、良いサービスだけを提供しなさいと。
瀬戸会長は、「マニュアルを作ってしまうとドライバーはその通りにしか動かなくなる」と
言います。ドライバー自身がお客様の事を考えなくなってしまうとも言っていました。

するとそれが良い循環をつくることにつながったのだそうです。

・お客様が喜ぶ。
・荷物の増加。
・密度の向上。
・利益の増加。

危機感と責任感を持たせるために


ここで先ほどの話に戻るのですがB to Bの仕事を断らせたのは担当の社員にやらせたのだそうです。
それは社員自身に危機感と責任感を持たせるために行ったことだそうです。

そして同社は次々と新しい商品を発売して行くのです。
・スキー宅急便
・ゴルフ宅急便
・引っ越し楽々パック
  :
良いサービスでも一回味わうと陳腐化してしまうので
新しいサービスを出し続けるということが重要だと言います。
発送側のお客様に対するサービスアップだけでなく
受取る側のお客様にたいするサービスアップをして行くのだと。

第3のイノベーションへ


そして第3のイノベーションへ進もうとしています。
それは企業が元気なうちにやらなくてはならないことだと言っていました。
その第3のイノベーションとは、ICT(情報)、LT(物流)、FT(決済)が融合することだそうです。

以下にあるのは同社の取り組み内容になります。
・地域密着型「生涯生活支援プラットフォーム」
・クレームはニーズの裏返し
・ニーズは分類して対応する。
・全国一律のサービスが提供できるようにする。
・現場の提案を聞くためにどう声を拾うか。
 ⇒年間数百回のミーティングをしている。
・世のため人のために
・利益の先取りはしない。サービスが先利益は後、お客様にいくら還元できるのか考える。
・「少数だから精鋭化する。」
・満足創造経営として見つけてほめることをした。
 ほめた人にもポイントを、ほめられた人にもポイントを
 そのポイントによって表彰がおこなわれるそうだ。ほめられる文化をつくったのだ。

感動体験DVDの上映!


そして最後に感動体験DVDの映像がスクリーンに映し出されました。
それは、お客とドライバーの様々な体験の記録でした。
そこには人と人との小さな思いやりや感謝の言葉がつまっていたのでした。

ドキュメント番組を見ているようで
私も思わずうるっときてしまいそうになりました。
こんなDVDをみせられたら…ちょっとずるいなと思いながらも
最後に惜しみない拍手をしたのでした。