ITエグゼクティブ・フォーラム IT JAPAN 2013 Vol.12

オムニチャネル時代のセブン&アイネット戦略 by 鈴木 康弘氏


株式会社セブンネットショッピング
代表取締役社長 鈴木 康弘氏による講演です。


インターネットが普及した今、「小売業界は今後スマートデバイスにどのように対応して行く必要があるのか」
という課題に対する戦略について語っていました。


オムニとはすべてという意味でつかわれる言葉だそうです。
そしてオムニチャネルとはスマートフォンの普及によって可能となった
場所と時間を選ばない購入手段に対する販売チャネルを意味しているそうです。


ある統計によると1日あたりのメディア利用時間は以下の通りであるとのことです。


 1位 スマートフォン 97%
 2位 TV        96%
 3位 PC        77%
 4位 新聞       23%
 5位 ラジオ      21%


1995年以前、顧客は物を購入する際、実際の店舗へ行っていました。
この販売チャネルを「シングルチャネル」と呼びます。
1995年以降はインターネットが登場し、通販なども発達してきました。
顧客は、実際の店舗やインターネット、カタログ通販などを使い分けるようになりました。
この販売チャネルを「マルチチャネル」と呼びます。
2005年頃から販売品目も多くなりファッション・食品そしてポイントサービスなどが提供されるようになってきました。
これを「クロスチャネル」と呼び、さらにあらゆる場所で複数のチャネルをシームレスに活用することこそが
「オムニチャネル」なのだと説明しました。


セブン&アイはリアル店舗を、基盤として活用したオムニチャネルの実現を2015年をめどに目指しているとのことでした。
そしてそれにはいかにその販売チャネルがリアルと連携するかが課題になっていると。。。


鈴木社長が語るネット戦略の方向性を以下に語っていました。


・通販型と、お届け型の2つのモデルを持つ。
 2つのモデルを持つことでお客様のニーズに広く深く対応したい。


・グループ各社のネット事業を集約し一本化。
 ワンID、ワンストップに切り替えて行く。


・PB開発力、ネットのマーケテイング情報を活かし、切れ目のない品揃えを目指す。
 独自商品や店頭付加価値商品の開発を行う、またシームレスな商品提供をめざす。
 これはリアルとネットを融合させた品揃えにより切れ目のない品揃えにすることであり
 リアルとネットの補完関係でもある。


・一貫性をもったデザインで、すべてのデバイスとキャリアに対応。
 シームレスで迷わずにお客様が使用できること。


・柔軟な検索、パーソナライズ、リコメンド、スムーズな注文の実現。
 個々のお客様に対して販売データに基づいたリコメンドサービスの強化を目指している。


・リアルとネットの垣根のない、ポイント、決済。
 電子マネー「nanaco]やポイントを一元化し、ネットで購入しても店舗で購入しても変わらないようにする。
 またグループ会社でも横断的に使えることとしたい。


・ネット専用物流倉庫でネット物流を強化。
 埼玉県にグループ初のネット事業用の物流センターを設けた。


・リアルとネットの架け橋となる。セブンスポットの敷設。
 世界最大の無線LANスポットを展開している。


そしてセブン&アイネット戦略におけるシステム思想を以下に述べました。


先ず、ネットビジネスについては時間がかかったが最終的にセブン&アイネット戦略の中核に位置付けられたとのことでした。
当時、その必要性を説いても役員たちに相手にされなかったと。。。
説得に3年かかりそのあとトップダウンによる戦略作成までに6年かかったそうです。


何事も先行した思想にはなかなか同意が得られなかったということでしょうか。


次に、コアビジネスとしてITが事業にとって不可欠であると言っていました。
そしてスピードが命のインターネットでは内製化が不可欠であることを強調していました。
外に委託していたのでは時間がかかり過ぎてしまうとのことです。


そして直接業務としてのシステム業務を行うべきであると述べました。
システム業務はビジネス先行で業務を考えるべきで、ビジネスのリターンとして得られるものを考える必要があるのです。
その結果としてシステム部門は間接部門ではなく直接部門化してゆくのであると。


鈴木社長は最後に「商売とITの融合ができれば、リアルとネットが融合したビジネスの変革が可能となるだろう」と結びました。


不勉強ながらオムニチャネルという言葉は今回の講演で初めて耳にすることばでした。
スマートフォンのこれからの発展とともに、リアルとネットの融合を交えて
オムニチャネルの実現をめざすセブン&アイグループの今後のサービスを楽しみにしたいと思いました。