ITエグゼクティブ・フォーラム IT JAPAN 2013 Vol.1

日経BP社セミナー ITエグゼクティブ・フォーラム 「IT Japan 2013」に参加してきました。 


さる2013年7月3日から7月5日までの3日間、品川プリンスで行われました日経BP社主催の日経BP社セミナー
ITエグゼクティブ・フォーラム「IT Japan 2013」に参加してきました。


3日間の長丁場、メモをとりながら日本のエグゼクティブの貴重な講演を拝聴した内容を
私なりにレポートとしてまとめました。
私の主観や表現なども入りますが、講演内容のポイントもそれなりにまとめたつもりです。


9:30開場予定となっていたので9時過ぎに到着したところ、
品川プリンスアネックスタワー5Fのプリンスホール入口ではすでに行列ができていました。


実際は9:30を過ぎての開場となりましたがすでにロビー内は人が溢れかえっていました。
今年の一日目の基調講演はあの慶應大学教授竹中平蔵氏によるものだからでしょうか。
私は、講演台の中央左2列目に席をとりました。講演台の真ん前です。
折角のエグゼクティブの講演です、ライブ感を存分に味わうためにはせめてこのあたり席が良いと考えました。
残念ながら一番前はうまってしまいましたので。。。


日経BP社 長田社長からの挨拶が始まりました。


IT Japanは2002年から今年は12回目だそうです。私も昨年すべてではありませんがいくつかの講演を受講しました。
今年はすべてに参加予定でスケジューリングしています。


長田社長の挨拶ですが、以下のようなものでした。


1年前に比べて先行きも不透明な昨今、何が必要かを自らが創造する必要があり、
ITを活用して戦略的な対応が求められている。
キーワードとして上がるのが
 ・ビッグデータ
 ・クラウド
 ・3Dプリンター
等である。これらをどのように活用するかケーススタディとして3日間の講演の中での内容が参考になればとのことでした。


私がこの3日間の中で印象に残ったキーワードは上記以外に
 ・成長戦略
 ・ダイバーシティ
 ・ICT
 ・オムニチャネル
 ・融合
といったものでした。各々についてはそれぞれの講演レポートの中で登場してきます。

グローバル経済と成長戦略 by 竹中平蔵氏


竹中平蔵氏の登場です。やはりオーラーがあります。
テンポも歯切れも良くどんどん話に引き込まれて行きます。なるほどなるほど。。。
それでは竹中さんが話した内容をざっくり私なりにまとめてみます。


竹中氏は「グローバル経済と成長戦略」というタイトルでの講演でした。
それでは講演内容のおさらいです。


まず、高い視点から長いスパンで物事を考える必要がある。
それは現在の成長率をとめてしまったら50年後に大変なことになるということです。
世界中は成長することを常に考えていて、子供や孫のために日本も成長を止めてはいけないと説いていました。


アルゼンチンとフランスを例にとって成長の結果を説明していました。
1900年初頭アルゼンチンのGNPはフランスの2.3?2.4倍あったそうです。
フランスは年あたり1.5%の成長率を高めることで現在の状態になったということです。
成長を止めてしまったアルゼンチンは、フランスとの格差を広げてしまったのです。


次の話は、どこかでバブルが起こっているとの話です。
昨今5年に1度はバブルが起きていますと、
ITバブル、サブプライムバブル、 ユーロバブル等。


バブルが起きる理由として
アメリカの赤字が増えると金融緩和が行われ、その為ドルが過剰に供給され行き場を失ってしまう。
供給されたドルが行き場を求めてバブルが起きるということです。
また、需要が増えて、供給も高まり生活が豊かになるが、一般の文化水準が上がらないため同じこと(バブル)が繰り返される。


次の話は、人口が多いということが良いことだということが経済学的にわかってきたということです。
BRICSを始めアジアや南米、アフリカなどの人口の増加が見込まれる新興国の現状の発展が物語っています。


アベノミクスについても間違いなく正しい方針であると言っていました。
問題は本当に実現できるかであって、実現して行く過程を我々がチェックして行かなくてはならないとのことでした。
昨今の株高暴落もあまりにも上げ幅が早すぎただけであって、金融政策は重要なもので実際に効果がでるまでに
2年が必要だということです。


以下アベノミクスの3本の矢について話です。


 ?デフレを解消すること
  デフレの時は、お金を持っている人は何もしないことが一番良いとされている。
  そのためお金の流れが止まってしまい経済が停滞していまう。
  人口が減少したからデフレになったわけではない。
  市場にお金の量が少なくなった2006年に日銀が金融を引き締めたのが間違いのもとで、そのためにデフレが加速してしまったと。
  第一の矢はデフレの解消としてうまく飛んでいる。


 ?機動的な財政政策
  現状では、財政を拡大しなくてはならない。
  また、中期的に財政政策を行わなければならない。
  前半はひとまず財政政策が示されましたが、後半についてはまだ示されていない。
  フレンド方針として4年ぶりに骨太方針が出された。
  しかし、財政再建をどのようにするかが示されていない。
  社会保障については今のままではだめで消費税を上げるだけではまだまだ足りない。
  参議院選前には提示できなかった財政再建について参議院選後の8月に議論できるかで
  2本目の矢がうまくゆくかが決まるとのこと。


 ?成長戦略
  ここ7年毎年成長率が下がっている。
  簡単に成長率を挙げるような打出の小槌のようなものは無く、少しづつ絞り出すようにして成長する道しか残されていない。
  中小企業に政府が援助を増やすという考えは官僚の考えで若干の援助としては必要ではあるが  
  成長する為の方法が官僚や政治家にわかるわけがなく、政府主導でやると失敗する。
  中小企業への援助を増やすというのは厚生労働省や経済産業書が財務省へ予算要求のための言い訳にすぎないと、
  民間に切磋琢磨してもらう以外成長の道は残されていないのであると。
  ビジネスがしやすい国は規制が少ない国で現在はシンガポールと香港が1位2位を独占している2013年、
  日本は47位だそうで、世界の中でビジネスのしやすい国にすることが成長する上で必要となってくる。
  そのために規制緩和が必要となるのだが規制改革を行うのは容易なことではないとのことで
  岩盤規制といわれる強固な規制が6?8ある。
  これらの規制についての緩和をここ10年でできなかったことを年内に行うことには無理がある。


現時点では楽天の三木谷社長がアベノミクスを75点と評価していて、竹中さんも妥当な評価としていました。


アベノミクスがいままで違う点は戦略特区をつくって、部分的な場所で規制緩和を行う方法をとるとのことでした。
本来は特区の考えは1国2制度になるため憲法違反との解釈もあるが、地方が国にお願いし総理主導の特区を定め
「国」、「地方」、「民間」が三位一体となってワーキングチームが本気で動き出したとのことでした。
また、猪瀬知事は、日本の標準時間を2時間進めることを提案している。
このことでニューヨークのマーケットとつながり、シンガポールは現状これに近いことを行っているそうです。


また規制緩和ということでコンセッション方式の話がでました。
韓国ではすでに使われているということですが、インフラ(空港、上水道等)の運営する権利を民間へ売却することで
国や自治体の運営ではできなかったサービスやビジネスを民間にやらせることでビジネスチャンスを広げて成長につなげるということでした。


薬の販売や大学の事業等、ITを活用することで解決できることがあるのだから、IT活用での規制緩和を行ってもらいたいものだ。
また、ITがわからない会社には退場してもらわないと若い人の雇用がすすまないのである。
そして独立した取締役が入りコーポレートガバナンスを強化して収益率の低い社長は変えることができるようにする
等の案もあるが、自身に都合の悪いことに対しては経済界からの反発がでてしまう。
雇用の流動化が必要と言われているが、社長の流動化の方が先に必要なのである。
現在はITインフラは整備されてきたが新陳代謝が悪いのだ。


今の時代は1920年代と似ている感じているそうで、第一次世界大戦の戦争特需があり、電気が出てきた時代で
このころ、松下、日産、日立等の会社が創業している。
1923年に関東大震災があり、このころから都市近郊の開発が始まり鉄道が生まれた。
また梅田の百貨店なども生まれ、1925年に山手線が環状線となり東海道本線で特急つばめが走るようになった。
あの頃の勢いと同じような成長で進んで行こうではないでしょうかと結んでいました。


現状のアベノミクスについての評価についてや成長戦略についてのご意見、
長いスパンでの成長が必要なこと、財政再建のためにある程度の犠牲が必要であることを話されていました。


確かに今後、日本の将来の為には成長が絶対的に必要であることがわかったが、
それによってこれからますます格差社会が広がり貧富の差が大きくなることはあきらかで、
経済界にとっての都合の良い解釈だけでなく、都合の悪い部分とのバランスをとりながらの成長を望みたいと思いました。