ITエグゼクティブ・フォーラム IT JAPAN 2013 Vol.5

ICTが実現する社会価値創造 ?社会ソリューションによる新たな価値・市場創造? by 清水隆明氏


NEC執行役員常務 兼 CMO 清水隆明氏による講演です。


今まではよくITという言葉が使われてきたように思います。今回のIT Japan2013では
ICT(Information and Communication Technology)という言葉がそれにとってかわったという印象を受けました。
特にNECは昔からC&C(Computers and Communication)と言っていましたので,
コミュニケーションという想いが強いと思うのですが、今の時代になって特に重要になってきたということなのでしょうか。
そしてNECが考える社会ソリューションとは一体どのようなものなのでしょうか。


今後世界の人口は増え続け2050年には現在の70億人から90億人になるとも言われています。
また都市化が進み人口が密集度が50%から70%まで増え、経済規模は4倍になるとの予測もあります。


それによって以下のような様々なものが増加して行くと清水氏は言います。


 ・エネルギー需要
 ・温室ガス
 ・食糧の需要
 ・水の需要


これらの様々な需要を満たすために新しい社会インフラが必要となるのだと。


NECが考える新しい社会インフラは
「人が生きる、豊に生きる」そのための社会インフラとして以下の社会ソリューション事業を展開するということです。


 ・パブリック
  防災、セキュリティ、電子行政、金融
 ・テレコムキャリア
  情報ネットワーク
 ・エンタープライズ
  流通、物流、交通
 ・スマートエネルギー


ICTによる社会インフラの高度化を行うことで安全、安心、効率、公平を提供をめざすというのです。


今後、自然の脅威や人的脅威が増大して行き、セイフティ事業の比重が大きくなって行くそうです。
現状NECでは、シンガポールを拠点に様々な社会インフラの構築をサポートしているとのことです。


 ・市民サービス⇒入国管理
 ・法の執行⇒警察
 ・空港等重要インフラの監視
 ・行政サービス⇒食の安全(トレーサビリティ)
 ・情報管理⇒ハッキング対策
 ・危機災害管理⇒自然災害対策
 ・組織の連携⇒クラウドでの情報共有


 ○シンガポール空港⇒eパスポート、指紋の生体認証
 ○南アフリカ⇒4,500万人の国民IDソリューション
 ○ブラジル⇒サッカースタジアムスタジアムの監視、防災システム
 ○ブェノスアイレス⇒11都市の監視システム
 ○日本⇒ユニバーサルジャパン顔認証システムによる入退場をエンタメ化


安心な暮らしの基盤づくりに貢献するため
重要なインフラへの高精度監視システムを提供して行くと明言していました。


また宇宙からの地球観測・通信・測定は、衛星やそのセンサー等を使っていて
衛星が4機体制になれば測位のズレが数cm単位になるため
新たなビジネスが生まれる可能性もあると言っていました。
サイバーセキュリティの強化も行っていて、この件についてはインターポールとも提携を行っているそうです。


ITとネットワーキングが飛躍的に進化した今
ビッグデータをどのように使うかを考えて行かなければならないと課題も提示していました。


今後は想定を超えるデータの増加がみこまれていて、
これからの競争ポイントは予知・予測を正確に行えるようになることであるとのことです。


ICTが社会を支える環境はととのってきたと考えているそうです。


NECはビッグデータを活用した以下の基盤技術を使い、分析・将来予測を行い社会課題の解決に貢献することでした。


 1.インバリアント分析を使って行う、大規模プラント故障予測監視システム
 2.異種混合学習、顔画像解析、行動分析によって小売業では廃棄ロス、機会ロスをなくす自動発注システム


同社がビッグデータインテグレーターとして進むためには
そのデータを読み解くエキスパートが必要となってくるといい、その人材が不足しているとも言っていました。


次世代ネットワーク技術ではSDN(ソフトウェア・デファインド・ネットワーキング:仮想的なネットワークの構築)
と呼ばれるネットワークの仮想化技術が中心となり、動的に切り替えができればその活用範囲もひろがるといいます。
これは近い将来、実施が可能になるとのことです。


NECは「社会価値創造型企業へ変革して行きます。」と結びました。


ビッグデータの活用は今後ますます発展して行くのでしょう。
故障が許されない工場や機器や乗り物などがセンサーを活用してのデータ採取によって
事前にメンテナンスを行えることはとてもすばらしことだと思いました。
そして予知予測が正確に行えるようになれば、安心安全な暮らしの基盤にもなります。
またICTによる社会ソリューション事業によってあらたな価値や市場がますます
活発化して行ければよいと思いました。