ITエグゼクティブ・フォーラム IT JAPAN 2013 Vol.9

人間関係をつくるコミュニケーション力 by 齋藤 孝氏


「IT Japan2013」2日目のトップバッターは明治大学 文学部 教授 齋藤 孝氏による基調講演です。


この齋藤教授は、私が見ているTBSの情報7daysニュースキャスターにコメンテーターとしてよく出ています。
柔らかい物腰でいつも丁寧にしゃべられている印象です。


とにかくこの講演では、会場の人すべてが巻き込まれ一体化してそれを仕切っている齋藤教授がものすごく楽しそうでした。
また実際この会場内でコミュニケーションが作られた瞬間を目撃したという感じでした。


まず齋藤教授が言ったのはこの講演が、ビジネスで使えるコミュニケーション技術の講演であるとのことです。


ビジネスを行う上で、チーム力を高めて活性化するためにはどのようにしたら良いか。
以下の3点をまずあげていました。


 ・ほぐれていること。
 ・活気がないとだめ。
 ・空気感が大事。


そしてこれらのことはビジネスの身体性を身に付け相手に対して反応できる体を作らなくてはならないと言っていました。


具体的には、以下のことを行うそうです。


 ・軽く相手を見る。
 ・うなずく。
 ・相槌を打つ。⇒いくつも種類を勉強する。
 ・微笑む。⇒微笑をたたえることが大事。


などであるが特に男性は、45歳を過ぎると生物学的に不機嫌に見える宿命を背負っているのだと説明していました。
普通はそれだけで雰囲気を壊してしまっていて、反応が鈍い、サービス精神が少ないというように見られてしまいます。
このため、上機嫌くらいでふつうに見えるそうです。


上機嫌でいることを普通にするにはその作法を身に付けることだそうです。
その為には微笑んでから笑う、手を叩いて称賛することが良いのだと。
特に日本人はリアクションが小さいのだからと。


通常1人対5人で話をしていると5人の人は頷かないそうです。
それではだめで人数に関係なく1人対1人の線を人数分アイコンタクトで作って行くことで信頼関係が生まれるとのことでした。
これがリスペクトの基本だとも言っていました。また相手に対して名前で呼ぶことも重要だと。


また話を聞く側としては、話が聞けている証拠として聞いた内容を要約して話すことができることをあげていました。
話の内容を再生できて初めて理解したことになるのですと。
齋藤教授は、話したことが理解されたことを確認する為に、もう一度言わせるようにしているとのことでした。


また人に指示を出すときは3つまでとするようにしていると。
3つ以上は覚えられないとも言っていました。
そして、指示の内容を自分の口で言ってもらう。
自分で言うことで宣言をしたことになり、より主体的に指示をこなしてゆくとのことです。


そして話を聞くうえで重要な相槌は10通りは用意しておくことだそうです。
同じ相槌を使うのはNGだそうで、それでは話している人がのってこないからだそうです。


そして齋藤教授は話をする側と聞く側との注意点を説明しました。


 ・話を聞いていて内容に関心した場合は拍手をすることが必要です。
 ・話を聞いている人たちはこの場の空気に対して責任を持っていなく、また体を抜きにして頭だけで話を聞こうとしている。
 ・話し合いの場には活気が大事であり、盛り上げる力も大事なのである。アイデアを出す人は活気がある人だということです。
 ・この場にいる全員が責任感を持つ必要があるのです。


次に新入社員に向けて伝えている3つの言葉を紹介しました。


 ・テンション テンションを上げろ。
 ・修正  同じ失敗をしないよう修正できればよい。
 ・確認  「これでよろしかったでしょうか?」とリマインドメールを送る。


これを忘れないように「天守閣」と覚えるとよいと話していました。


そしてなんとここから、来場者は全員起立をさせられワークショップが始まったのです。


まずは、軽くジャンプして体をほぐし「テンション、修正、確認、天守閣」と復唱しました。


次に来場者の奇数列の席にいる方々に振り返るように言い、
偶数列の人と笑いながらハイタッチをしてから握手をし、挨拶をするということを実施したのです。


私のお相手は鹿児島から参加されたかたでごぼうを栽培されているとのことでした。
最初は若干緊張していましたが、考えるよりも体を動かす方が早くまたテンポの良さもあってか
無意識にコミュニケーションをとることに集中していったのです。


次の課題は「仕事の悩みを相談する。」でした。
お相手が私より年配の方だったので迷わず私が相談をしました。
「仕事でコミュニケーションがうまく取れない場合どうしたらよいでしょうか」という相談です。
それに対して「自分以外にコミュニケーションをとっている人を見つけ間に入ってもらえばよい」と言われました。
的確なアドバイスをいただき「ありがとうございました。」


その次からは4人が一組となってやはりハイタッチと握手を笑ながらして以下の内容について話をしたのです。


 ・趣味など好きなものを話し合う。
  順番にそれぞれの趣味や好きなものを紹介しました。
 ・カラオケボックスの部屋を改変して別の用途に使うとしたら何ができるか意見をする。
  終電がなくなって泊まった経験があるので、簡易宿泊所、
  防音設備があるので楽器の演奏スタジオ、
  レンタル会議室
  等の意見が出たと記憶しています。


齋藤教授がこの講演のおかげでいろいろとコミュニケーションがうまくなったと言われることが多いというだけあって、
その気になればこんなに簡単に初対面の方々とのコミュニケーションが可能なのだとあらためて思いました。


結果として私はこの3人の方と名刺交換をして、この日はそのあとも若干のコミュニケーションを持つことになったのです。
もちろん周りの方々も同じようにされていました。コミュニケーション力がアップしたような気がしました。
これは齋藤教授が言っていました。「何度もやるとできるようになる。」とのことです。
今後このコミュニケーション力をもっと磨きをかけていきたいと思いました。


私は、人の笑顔を見ると警戒が緩みます。ハイタッチしてさらに握手をすると何となく親近感が湧きます。
仕事場でこんなコミュニケーションがなぜ取れないのかと最後に齋藤教授がおっしゃっていました。