ITエグゼクティブ・フォーラム IT JAPAN 2013 Vol.10

全てのビジネスはもはやデジタル・ビジネス by 程 近智氏


アクセンチュア 代表取締役社長 程 近智氏による講演です。


企業はビジネスの全部をデジタルに置き換えようとする流れになってきていて、そしてそれを実現する時期が来ているとのことです。
ビジネスをデジタル化によって再構築し、そして進化させて行くための技術が整備されてきたと説明しています。


「増え続けるデータや通信トラフィックに企業はついてきているのだろうか?」
との問題提起が程社長からされたのです。


その問題にアクセンチュアとして7つの視点での意見を提示したのでした。


【1】Relationships at Scale トランザクションからインタラクションへ。


 今迄のよう顧客全体ではなく、一人々の顧客との関係をまとめ「One to One」のマーケティングをすることで、企業が持っている商品
 価値を個に合わせて提供することです。
 また、ネットの時代となりSNSなどの口コミの影響がますます大きくなり、米国でのある調査では92%の人が口コミを信じるとの回答が
 あったと言います。
 但し、これを行うためには企業側に問題があることを指摘しています。
 企業側の部門間には壁があり顧客の名寄せができていないため、企業内でのシンクロがされていない。
 これを壊さないといけませんですと。


 そして、イタリアの大手通信事業者での、顧客接点に係る店舗内外のあらゆる情報をデジタル化・分析することでサービス向上に活
 用した事例を紹介しました。それはカメラ、センサーによる顧客行動情報を収集するものでした。
 収集したデータである通行者量、来店者量と店外カメラが撮った顧客の行動情報からショップ内外の何が入店に繋がったかの分析を
 行うことでサービス向上に役立てたと言います。


【2】Design for Analytics データだけでは価値はない 問いから始め、問いに対してデザインする。


 分析からスタートするのでなく、問いから始めることが必要である。
 今までは、効率アップや大量データ処理のためのシステムでありましたが、これからはどういった意思決定をしなければならないかの
 ためのシステムとする必要があるのです。
 それにはビッグデータよりもベターデータをどのように利用すればよいかを取捨選択がデザインすることなのですと。


 そして、米コカ・コーラでのオレンジジュースの生産計画における気象や収穫量の予想を数値化して安定した供給体制を構築した事
 例の紹介を行いました。


【3】Data Velocity 異次元のシステムの速度を企業に取り組み、判断/意思決定、行動の速度を高める。


 データもスピードが大事であって、データの処理スピードを意思決定から実現にうつすためのスピードを高めて行くことが必要になりま
 す。そして結果としてプロセス、行動のVelocityまで役立っているか確認及び検証することで顧客満足度があがるのです。
 アクセンチュアでは、大量データの瞬時処理は、デジタル化されたビジネスのPDCAサイクルを激変させています。
 このため「どこでこの速度を活かすべきか」を早急に見極めるべきであると言っていました。


【4】Seamless Collaboration コラボレーションを、ビジネスプロセスに組み込む。


 ソーシャルツールを使って「B to C」の関係を企業内に取込み、部門間の壁をなくしトップと現場との距離もなくすことで、スピード感が
 増します。
 実際、アクセンチュアはChatter(セールスフォースの共有ツール)などの仕組みを使って迅速な情報共有や協力体制を実現したこと
 を事例として紹介しました。


続く3つは技術面についての視点の紹介となります。


【5】Software-Defined Networking 仮想化のラスト・ワンマイル。


 ワークの仮想化を行うことで、ネットワークコストを考えた柔軟性のある対応が可能となることをあげています。


【6】Active Defense 新たな脅威に適応する。


 アクセンチュアでも実際のハッキングに備えてハッカーを雇ってシュミレーションすることで攻撃を待つだけでない、攻めのセキュリティ
 を実現しているとのことでした。


【7】Beyond the Cloud クラウドをいかに使いこなすか。


 クラウドを使用することは当たり前になってきていて、今後はクラウドという言葉さえ使用しなくなると言っていました。
 ハイブリットクラウドは当たり前になりワンストップポータルで可用性が高まりクラウドを使用していることを意識することもなくなるのだ
 と話していました。


最後に程社長は、今まで紹介した7つの要素でシステムを見直してほしいと言っていました。
また、今はビジネスモデルを変える良いチャンスで、すでに新しいデジタルビジネスが胎動しつつあるのだと。


アクセンチュアでは、近い将来やってくるであろうデジタルビジネスの流れが見えているのでしょう。
今のトレンドであるクラウドという言葉が将来なくなってしまうという発言はかなり印象でありました。
これからさらに雲の先で何かを作って行くのでしょう。