ITエグゼクティブ・フォーラム IT JAPAN 2013 Vol.11

成長を生み出す構想力と実行力 by 安斎 富太郎氏


SAPジャパン 代表取締役社長 安斎 富太郎氏による講演です。


SAPと言えばERPシステムの会社である印象を持っています。
しかしこのイメージはすでに過去のものになってしまったようです。


安斎社長がまず始めに発した言葉がこれでした。
「我々はすでにERPだけの会社ではない。」


 ・クラウド
 ・HANAプラットフォーム
 ・モバイル
 ・アナリティクス


上記にあげたERP以外でいずれも高い成長率を誇っていると語っていました。


そして今後増加して行く3つの要素を説明しました。


 ・人口の増加 2030年には人口が3倍となる、その6割が中間層でありこれらの人々が消費活動を行う。
  このため資源の枯渇がおきてくる。
 ・データ量 2009年には 0.8ZB(ゼタバイト10の21乗)だったが2020年には44倍にあたる35ZBになるといわれている。
 ・モバイルは2012年?2017年までのスマートデバイスの年平均成長率は25.4%になるという。


社会変革のスピードは加速しかつてないほど個人個人の力が強まったと言います。


 ・50億 総中流 資源の枯渇 モバイル端末の数が人口をこえる。このため新しい発想がもとめられている。
 ・18ヶ月毎に倍増するデータ。
 ・2013年 ネットトラフィック150億 いつでもネットアクセスが可能となった。
 ・10億人がSNSを利用 ビジネスと個人の境がなくなった。


これらの問題に対してどのように対処して行くのか、SAPは以下の3つの回答を用意していました。


 ・リソースの最適化
 ・ビッグデータの活用
 ・リアルタイムビジネスの実現


以上のことを踏まえいくつかの事例が紹介されました。


 1.水インフラを構築した例
  水の感染症で毎年200万人が命を落としていて、9億人の人々が安全な水を飲める環境にないと話していました。
  アフリカで水のインフラを整備しても土地が広大であるため適切なメンテナンスを行えないでいたのでした。
  デンマークのポンプメーカー、グルンドフォスは太陽光発電パネルと携帯電話を利用した送金システムを組み合わせることで、
  水の利用権を巡る汚職やトラブルを回避しつつ、メインテナンスにかかるコストも省力化しました。


 2.英国ブリティシュ・エアウェイズではビッグデータの活用により運行計画や安全性の質の向上をはかったとのことでした。


 3.カナダモントリオール交通局ではリアルタイムビジネスとしてモバイル端末の位置情報を活用してリアルタイムに広告を
  打つといったコミュニティをつくりあげたとのことでした。


 4.三菱東京UFJではMDM(モバイルデバイス管理)SAP Afariaを使ってBYODの対応を行っています。


安斎社長は成長を生み出すためには、構想力が重要であると言い、
それはいろいろな制約のなかで考えなければならないとも言っていました。


ITはイマジネーションではなく人の感性、欲求から考えることであり、
それを具体的にどうやったら実現できるのかを考えるのにはデザイアビリティ(有用性)が必要であると話していました。


それは日本人が一番得意としている、思いやり、おもてなしの心に通じるものであるとのことでした。
そして「日本企業は、自分たちの強みを自覚してビジネスに取り組むべきだ」と結びました。